効果的な目標設定のための、「SMARTの法則」
今回は、アクションプランや行動目標を設定する際に、とても有効な「SMARTの法則」についてお話します。
「SMARTの法則」は1981年にコンサルタントのジョージ・T・ドラン氏が執筆した論文をもとに提唱された効果的な目標設定を行うためのフレームワークで40年以上たった今でも効率的な目標設定のために使われております。
SMARTとは次の英語の頭文字を取ったもので、当初は「Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Assignable(達成可能な)、Realistic(関連性がある)、Time-related(達成期限がある)」という5つの要素の頭文字を取って、「SMART」と名づけられました。その後、いくつかは改良が加えられておりますが、ここでは代表的なものを説明してゆきます。
・S-Specific:具体的で、明確で → 方向性だけでなく、本当に実行できる「具体的」な内容になっているかという基準で目標を立てます。また、目標を達成するための「手段」や「方法」になっているかを確認します。例えば、「本を読んで知識を習得する」と言う目標の場合、「読む」と言うことだけではなくて、どのような本をどのくらい読んで知識習得しようとするのか、明確にします。曖昧な内容とか、抽象的な目標ではなく、特定の項目を指定して、どのような行動を行うのかを具体的に設定することによって、パフォーマンスの向上が期待できます。
・M-Measurable:測定可能で → 可能な限り「数値化」「定量化」されていて、目標の達成度が図ることが出来るかと言う基準です。「一生懸命やる」とか「頑張る」などのような抽象的な表現ではどの程度達成できたかわかりません。
達成度や実施をする頻度、回数など、測定できる指標になっているかを確認します。例えば「本を読む」という目標の場合、月に何冊、週に何ページ等、進捗を図れるような目標にします。周囲から見た時にも、やっていることが評価が出来るような目標にすることが大切です。
・A-Achievable:達成可能で → 実現可能な目標かどうかという基準で目標を設定します。思いっきり背伸びして、頑張って到達できるレベルの目標が適当と考えられております。
目標が高すぎて、到達不可能なものですと、一気にモチベーションが下がってしまう場合がありますし、逆に簡単すぎる目標では成長が望めません。 「本を読む」という目標の場合、月間で10冊読むという目標ですと、3日に1冊のペースで読む計画となり、通常業務を行っている場合、なかなか難しく、継続も困難ではないかと思われますので、達成可能な量にする必要があるかと思います。
メンバーの能力や実績を考慮して、「精一杯努力すれば達成できる目標」というレベルに設定することが大切です。
・R-Reasonable :組織ミッションに沿っていて → その目標は本人の業務や組織のミッションからみて妥当かどうか、関連性があるかどうかという基準で目標設定します。その目標を達成することが何につながっているかを意識できたり、組織のビジョンやミッションに沿っていることが理解できますと、目標を達成する事のモチベーションを高めたり、維持をしやすくなったりします。
また、達成された際に、明らかに本人が成長するイメージが持てるかと言うことも大切となります。
・T-Timeframe:時間制限がある → 目標を達成する期限があるかを確認する基準です。
目標は期限を設定することが大切です。 期限を決めないと、そのための具体的な行動を決めることが出来ず、どんどん先延ばしになってしまうことが考えられます。 いつまでにやると決めたり、この期間で何回やるとか、途中段階でも何月末までにここまでやるとか決めることが重要です。
「SMARTの法則」の応用形
SMARTの法則には、上記でご紹介した「Specific」、「Measurable」、「Achievable」、「Reasonable」、「Timeframe」以外にもさまざまな応用形があります。そのいくつかをご紹介します。
Aのバリエーション
SMARTの法則のAのバリエーションです。Achievable(達成可能性)にかわり、次のように説明される場合もあるようです。
Attainable : 目標に達成できるか
Agreed upon : 同意は取れているか
Action-oriented :
行動を促せるか
R、Tのバリエーション
Aと同じく、Reasonable(組織ミッションに沿っていて)やTimeframe(時間制限がある)にも応用形があります。
Results : 結果、成果志向で
Relevant : 関連性があって
Realistic : 現実的な目標か
Rewarding : やりがいのある目標設定か
Time-bound : 納期・スケジュールがある
「SMARTの法則」は正解が決まっているわけではありません。 達成すべき目標で、何を具体的な行動として実行してゆくのかによって、その内容も変わって然るべきです。
目的に応じて、柔軟にSMARTの法則の因子を使い分けて、目標を設定しましょう。
このように、SMARTの法則は、目標を具体的に設定し、進捗状況を追跡しやすくすることで、目標達成への道筋を明確にするためのツールとして用いられます。
今回は、「SMARTの法則」について、「Specific」、「Measurable」、「Achievable」、「Reasonable」、「Timeframe」の5つの言葉で説明しましたが、人や組織によってこれらは更新、また変更されており、いろいろなバリエーションがあります。
皆様には、その目的に応じて、適切な「SMARTの法則」のフレームワークを採用され、活用されることをお勧めいたします。
「SMARTの法則」を上手に活用して、適切で具体的な「結果目標」と「行動目標」を設定し、確実に目標達成する習慣を身につけてゆきましょう!
コメント
コメントを投稿