委任について
委任について
前回、時間の管理について書きましたが、自分の時間を創出する強力な方法として「委任」があります。
今日は「委任」について、その考え方、やり方についてお伝えしてゆきます。
「委任」とは他の人に自分の仕事を実行する権限を与えること ですが、そのためには下記の項目を厳守する必要があります。
1. 部下に権限と責任を与える
2. その仕事を実行するために必要なサポート(トレーニング、ヘルプ、支援)をする
3. 部下が実行するにあたり、それをモニタリングし、監督する
4. 部下に委任しても最終責任は自分にあると考える
「委任」は「放任」や「丸投げ」とは違って、「委任」された者が、しっかりその業務を出来るようになるまで教え、導く必要があります。
また、「委任」される側の部下につきましても、「委任」される前の仕事の状態が目一杯であることがありますので、その者の業務の棚卸もして、さらに委任できる業務を他の者に「委任」して、「委任」された業務を行う時間を作る配慮も必要です。
では、自分の仕事の棚卸です。
まず、あなたが現在行っている仕事を列挙してExcelに入力してみましょう。
・ 手帳やGoogleカレンダーを見て、この1か月分どんな仕事にどれくらいの時間を使っていたかを見える化する
・ 自分のメールの送受信状況を見て、やっていたことを把握する
・ この1年間でどのような仕事に関わっていたか列挙する
次に、それらの業務について、かかった時間と、難易度、任せたいという項目について1~3のランキングを付けていきます。
例えば、社長としてやる必要のない仕事、すべきではない仕事、部下でも自分の80%ぐらいは出来る仕事、付加価値の高くない仕事、部下の能力向上につながる仕事などの観点で、つけてみます。
一週間分の過去の例では、下記のようになります。
※ 難易度 : 1.簡単、2.少し工夫したら委任できる、3.複雑で難易度が高い
※※ 楽しさ : 1.すぐに委任したい、2.どちらでもよい、3.自分でやりたい
上記のような業務の一覧と「難易度」と「楽しさ」の表を一か月分作成して、業務の棚卸と見える化を行います。
そして、これらの業務に「難易度」と「楽しさ」でランクを付け、その合計が2~4の業務について委任を検討します。
難易度が低い&楽しさが低い ⇒ 即委任、外注
難易度が高い&楽しさが高い ⇒ 自分でやる
残りの仕事 ⇒ 合計の数字が低い順から徐々に委任
という判断をしてゆきます。
業務の内容から見てゆきますと、次のような仕事です。
・ 何度が行ったことがあり、プロセス化が出来る仕事
・ 部下の能力の範囲内であり、自分より部下が行った方が良い仕事
・ 自分の給料に見合わない仕事
・ 部下の能力向上につながる仕事
そして、委任する相手としては下記の通り
・ その仕事をすれば、能力の向上が見込める部下
・ その仕事について習得できる部下
・ 上司よりも仕事をやりやすい、または向いている部下
・ 向上心があり、上司の仕事をやりたがっている部下
次は、これらの「委任」を誰にするかです。
タスクによって、部下に業務を委任してゆくわけですが、社長が委任するべき相手に対して知っておくべきことがあります。それは、
・ 部下の性格
・ 部下の能力とスキル
・ 部下の仕事の状況と計画
それらを踏まえて、優先順位をつけ、委任する相手を決めてゆきます。
また、「委任」を実行する際、次の「N.H.K」を検討することも重要です。
<N> : 無くす → その仕事はやめられないか?
・ IT化、自動化はできないか?
・ 外注化、アルバイト、派遣社員などに回せないか?
・ もっと人件費が低い人に回せないか?
・ マニュアル化できないか?
・ どんなトレーニングが必要か?
<H> : 減らす → 実行方法を簡易化する
・ 手順を減らせないか?
・ 時間の節約はできないか?
<K> : 変える → 実行方法を変える
・ やり方を変えられないか?
・ 手順を変えられないか?
・ もっと簡単な方法はないか?
・ 同時にできることはないか?
これらのことを検討して、「委任」を実現してください。
今日はここまでです。
皆様の限られた時間が有効に創出されますことを祈っております。
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