会議について

 







会議について

 

 今回は、皆さんも日常頻繁に行われている「会議」について考えてみたいと思います。

 

 ある社長の通常の勤務時間の内容を見える化したとき、実働時間の実に3分の1が何らかの会議でした。

 

 月に一度の取締役会議から、取締役会議の下打ち合わせの為の会議、毎週行われる営業会議に間接部門会議、三つある部の部会、全体課長会、月に2回の新規事業会議、そして週に2回行っている取締役、部長、課長との1on1ミーティング。

 

 どれも必要な重要な会議とのことでした。

 

 しかし、その内容をお伺いしますと、取締役会議では90%位は社長が話をし、他の取締役からの意見は出ることはなく、一歩的なものになっているとの事でした。

 

また、営業会議や間接部門会議では情報共有の場となっており、決まった報告者が具体的な進捗や数字、現状の課題などを伝えるだけで、課題解決の場にはなっておらず、全く発言をしないメンバーも多数いるとの仰っておられました。

 

部会や課長会も報告会に近く、議論や何かを決める場にはなっていないそうです。

 

新規事業会議ではブレスト形式にしており、アイデアを出すことが目的ですが、発言する人は限られており、参加者が気楽に意見を出せる雰囲気にはなっていないようです。

 

1on1ミーティングでは、出来るだけ相手の話を傾聴するように心掛けているとの事ですが、上司から質問が上手くできず、また相手が黙ってしまうと気まずく感じ、結局、上司が半分以上しゃべってしまう現状があるとの事でした。

 

これらは「会議」として、上手く機能していると言えるでしょうか? 皆さんがやられている「会議」では如何でしょうか?

 

ここで、「これだけPDCA(川原慎也:著)と言う本のP.189からを引用しながら、ダメな会議となる「会議の五悪」と言うものを取り上げて、考えてみたいと思います。すなわち、

 

1.「会せず」

2.「会して議せず」

3.「議して決せず」

4.「決して実行せず」

5.「実行して責取らず」

 

と言う5つです。これらに当てはまる会議であるなら「やる意味がない」ということを示しております。

それでは1つずつ見ていきましょう。

 

1.会せず

 

「会せず」とはそもそも招集されているメンバー全員が集まらなかったり、会議に遅れてくる者がいたりして定刻に会議が始められないような状態です。

 

その理由として、以前の経験では、自分の業務を優先したために、会議に遅れて参加する等がありましたが、その会議の目的や意義をしっかり把握していないことも原因として挙げられるでしょう。

 

また、会議が多すぎたり、関係ない人まで参加していたりするのも無駄が多いですし、会議を軽く見られる原因ともなります。

 

 

2.会して議せず

 

「会して議せず」とは、メンバーはきちんと集まっているのに議論が交わされていない状態です。

 

例えば上司や限定された一部の人からの一方的な通達だけで終わってしまったり、現状の報告だけで終わってしまうようなもので、他の人は黙って聞いているだけの状態を経験されたことはないでしょうか。

 

会議をやるにしましても、集まっているメンバー達の人件費などのコストは発生します。

 

議論をしない会議に参加するくらいであれば、メンバーは現場に出て業務を行った方が生産性は上がるのではないでしょうか。

 

また、会議中にその会議に集中せずに、パソコンや携帯をいじっている人はいないでしょうか。

 

さらに、会議のアジェンダがなく、緊急なトピックに時間を取られ、長期的な重要テーマを議論する時間が無い状態なども問題です。

 

議論を必要としないような一方的な報告や伝達であれば、メールや動画を活用すれば伝えることが可能な部分もあり、時間とコストの削減にもつながるのではないかと思います。

 

 

3.議して決せず

 

「議して決せず」とは、それなりに議論は交わされているのですが、最終的な結論に達することなく、うやむやに終わってしまうような状態を指します。

 

そもそも結論を出さなければ、何のために会議をしたのかわかりませんよね。

 

ただ、皆からの意見を聞くだけとか、アイデア出しのブレストであれば、そもそも「会議」としての目的が異なりますので、その場で決することは無くても良いかもしれません。

 

しかし、通常の会議であれば、会議の最後には必ず次につながる結論を出し、後で実行されるための具体的な行動計画が作られることが重要です。

 

 

4.決して実行せず

 

「決して実行せず」とは、きちんと結論まで出しているにもかかわらず、実行しないまま進展しないことを表しています。

 

では、なぜせっかく出した結論をすぐに実行しないのでしょうか? 理由や言い訳はいくつも考えられますが、代表的なものは以下のようなものではないでしょうか。

 

  〇 日々の目先の業務に追われて、新たなことに取り組む時間が無い

    〇 実行する人を明確にしていない

  〇 いつまでにやるか決められていない

  〇 実行することが具体的に落とし込まれていない

 

これらを防ぐには結論を出す段階で、以前取り上げた「SMARTの原則」に「誰が」を加え、具体的な行動目標を明確にすることで、解決できるものと考えます。

 

 

5.実行して責を取らず

 

「実行して責を取らず」とは、一応「やるべきことはやろう」というところまではいっているのに、その結果に対しての責任が伴っておらず、「とりあえずやればいいんでしょ」と言う意識で進められてしまうような状況です。

 

責任には実行責任と結果責任と言う考え方があり、実行責任は特定のタスクやプロジェクトの実行に関する責任で、この場合は、実行責任は果たしているが、結果責任を伴っていない状況を言っています。

 

つまり、そのタスクやプロジェクトを成功させるために必要な行動や決定を行う責任を負っていますが、最終的にそのタスクやプロジェクトの成果や結果に対する直接的な責任を負っていないというわけです。

 

一方、結果責任は、特定の目標や成果物に関する責任です。結果責任を持つ人は、その目標や成果物の達成に必要なすべての要素を調整する責任を持ち、成功に直接責任を負います。会議の決定事項についてはこのような結果責任を取ることが必要ではないでしょうか。

 

 

良い会議とは?

 

上記で「会議の5悪」を見てきましたが、それでは「良い会議」とは、どのような会議でしょうか?

 

「良い会議」とは目的や目標が明確で、参加者が適切で、その参加者全員が有意義な時間を過ごし、心理的安全性が保たれ、全員が意見を述べ、決められた時間内で適切な結論や決定を下し、会議後に結果責任を持った行動を起こせるような会議ではないでしょうか。

 

皆様の会議が有益で生産性の高い会議になりますことを願っております。

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